ギターの基礎知識
ここではご来店のお客様に私どもの説明がより理解され、親近感を持っていただけるようにギターの専門用語や、豆知識(良く言われるうそや迷信も含め)を勝手ながら不定期かつマイペースでご説明させていただきます。
ネック編
1.ネックのソリの見方とは?
1.ネックのソリの見方とは?
図1のような光景をよく見ると思いますが、これは間違ったネック(ソリ)の見方です。正しくは、図2のように演奏する体勢でひざの上にギターを乗せて、左手で1フレット、右手で最終フレットを押さえて弦を定規がわりにつかいます。
この方法ですと「図1では調べられない」2弦から5弦のソリまでチェックできます。
他店で図2のチェック法を机の上に寝かせてチェックしている光景を見ますが、これはギター本体の重さがネックに負荷されるので、実際この状態で調整されたギターは演奏時にネックが逆ゾリになり、ローポジション(1~5Fあたり)でビリつきます。
ソリの種類

2.正しいネック状態とは? クリアランス
図1の方法で8~10フレット付近に最大のすき間(クリアランス)ができ、かつ、そのすき間が約0.3~0.6ミリ位であれば正しいネック状態となります。 図3

3.なぜすき間(クリアランス)が必要なのか?
a:ギターを寝かせて弦振動を横から見ます。この時ネックがまっすぐだと上の振動はできても下の振動はフレットに当たって殺されてしまいます。そのためにネックは少し順ゾリ状態にした方がビリつき感もなくサスティーン(音の伸び)が生まれます。図4
クリアランスと弦振動

b:では、どれだけのクリアランスが必要なのでしょうか。

1.演奏者の好みの弦高やピッキングの強さによって違う。
2.演奏者の使用する弦とチューニング(テンション)によって違う。
3.ネックの指板面の湾曲(アール)によって違う。

1と2は何となく分かりますよね。3は少し難しくなるので説明します。

C:なぜ「湾曲(わんきょく)」が影響するの?

缶コーヒーで説明します。図5
ギターの指板面には、左手が6本の弦がおさえやすいようにアールが付けられています。
フェンダーであれば「184アール」、ギブソンであれば「300アールから400アール」(これも時代によって違っていますが)と、ネック幅の一番せまい0フレットから一番広い指板エンドまで約16ミリ前後の差があります。
図5の缶コーヒーの円筒部にななめに定規を置いてみて下さい。必ず定規の両端にすき間ができます。
しかし中央部にはすき間がなく、ピタッと定規全ヶ所接触し、直線を示します。
以上でおわかりのように、ひとつのアールを持った指板上では「指板の中央部と指板エッジ部」ではソリが違うのです。
このためローポジションとハイポジションの差や指板のアールの大小によって、すき間の量が違ってくるのです。

※一部のギターでは、缶コーヒーのような円筒状指板ではなく、円錐状指板のものもまれにあります。

湾曲の影響

4.弦高とは?
a:上記のさまざまな条件の違いによって各メーカーの弦高が違います。
また演奏スタイルによっても違い、ある程度の幅を持った範囲で示されます。また、この時にナット(0フレット)の高さが影響されます。一般的に弦高とは図3のように「フレットの頂点からその弦の腹までの距離」を指します。しかし0フレットの調整が悪く、高かったり、低かったりすると「開放弦時で測る弦高」なのでナットの高さが影響する訳です。
また、そのナットが高さが高い場合には演奏しにくく、ローポジションの音程も悪くなり、低い場合には開放弦のビリつきが出ます。
弦高を測る際には必ずナットの高さと、ネックのソリを正常にしておかないといけません。
図6が適正なナットの高さのチェック法です。
図6の様に3フレットを左手で押さえた時、1フレットにすき間が限りなく0に近いほど、演奏性と音程が良くなります。
しかしながら、この高さを調整するのが非常にむずかしく、熟練のいる仕事になりますので、メンテナンス等で私共に任せていただいた方が「正確かつ安心」だと思います。
正しいナットの高さ

b:具体的に各メーカーはどれ位で設定すれば良いのか。

フェンダー 184アール → 1E/12F = 1.8ミリ~  6E/12F = 2.0~2.3ミリ
             
フェンダー 250アール → 1E/12F = 1.5ミリ~  6E/12F = 2.0~2.3ミリ
             
ギブソン  300~400アール → 1E/12F = 1.5ミリ~  6E/12F = 2.0ミリ~
               
以上が一応の目安です。


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